何となく髪には悪いと気づいている女性もおられると思いますが、多くの女性がしている「ヘアカラー」にも抜け毛、薄毛の原因が潜んでいます。
とくに白髪が増え始める40代、50代の女性にヘアカラーは不可欠ですから、少しでもダメージの少ない方法を知っておきたいものです。
これまで「なんとなく髪に悪そう」と思いながらも続けてきたヘアカラーのことを知り、正しい髪染めの方法で薄毛を防ぎましょう。
今日はそんなヘアカラーで薄毛になる原因と対処法について書いていきたいと思います。
ヘアカラーによる抜け毛・薄毛を防ぐ方法
髪と発毛機能に悪いとわかっていても、現代社会で暮らす女性にヘアカラーは必需品だといえます。
白髪隠しはもちろん、中年期を超えると髪にハリとツヤが失われ、なんらかの手入れをしないと全体的に老け込んだような印象になるものです。
ヘアカラーは、大人の女性の「身だしなみの基本」になっているともいえます。
ですから、できるだけ髪や頭皮にダメージを与えずに毛染めをする方法を書いていきたいと思います。
①ヘアカラーの頻度に気を付ける
ヘアカラーは、1回1回ダメージを受けますが、その後自然治癒力によって、頭皮や毛根部は徐々に復活していきます。
髪の毛は再生しないのでトリートメントなどで修復作業が必要になってきます。
この自然の復旧作用が完了する前に、新たにヘアカラーをしてしまうと肌の状態が悪くなりやすいので、頭皮を守るためにはカラーの「頻度」に気をつけることです。
〈ポイント〉
お肌の弱い人や白髪の割合が少ない人は、カラーの頻度を減らすことで肌への負担が少なくなるのでおすすめな対策ですね。
②ヘアサロンでヘアカラーをしてもらう
ヘアカラーは、ドラッグストアで毛染めを買って自宅でするものと、ヘアサロンなどで専門家にしてもらうものとがあります。
使われている薬剤の成分は似たようなものですが、「薬剤の使い方」はヘアサロンのほうが上手くて安全です。
市販で売られている物によっては、付けてすぐに真っ黒になってしまう物や、どれだけつけても染まりにくい物があります。
自分のなりたい色を決めるのに箱に書いてある見本を見るしかないので、希望通りに染まるかどうかは染めてからしかわからないと言う結果に。
自分で自分の髪の状態をしっかり把握している人はほんのわずかでしょう。
市販のカラー剤の説明書をみてもとても簡単に書かれていますが、髪質によって染まり方が変わってくるのでキレイに染めようと思うとなかなか難しいんじゃないでしょうか。
ヘアサロンで使用する物は「2液式」を用いますが、髪質や髪の色によって”濃度”をある程度調整することができます。
白髪が少ない、多いの微調整もしっかり見て希望のカラーのカウセリングをします。
目的の色にするまでの、必要最低限の強さに調整するため、比較的髪と頭皮へのダメージも少ないのです。
また、ヘアカラーの「放置時間」にも注意してくれるので、大雑把になりがちな自宅での毛染めよりは、安全性も確保されているといえます。
自宅で染めている方は根元は明るく、毛先は真っ黒になるような染め方をしがちです。
それは薬液の量を間違えていたり、放置時間がそう言う結果を招いているのです。
しかしサロンで染める時の問題は施術料金+薬剤になり、ドラッグストアに売られているものを使うよりもコストが高くなることです。
サロンにもよりますが、5倍から10倍くらいは費用が多くかかるのが相場になる場合が多いです。
〈ポイント〉
白髪の量が黒髪の量を上回っている人は美容室、ヘアサロンでのカラーがおすすめです。
自分で染めるより根元までしっかりとカラー塗布ができるので長持ちするし、キレイに染まります。
自分で塗ると塗りムラが出来たり根本まで染まらなかったり、結局すぐ白髪が出るのでカラーの頻度が高くなり髪を傷めやすくなります。
③自分で染める場合は育毛剤やシャンプーで頭皮ケアを怠らない
どうしても自分で髪を染めたい場合には、ヘアカラー以外で受けている頭皮と毛根へのダメージを減らしましょう。
私たちのよく使う「シャンプー」には、コストの安い”粗悪な化学物質”が沢山使われています。
これらは、ヘアカラーの薬剤にも匹敵するほどの刺激性の高い成分です。
この低価格なシャンプーを使わず、天然由来の成分(アミノ酸系など)で作られたシャンプーや、女性用の育毛剤を併用すれば、ヘアケアーのダメージをある程度カバーできます。
(アミノ酸とは人間の体を作るたんぱく質の元となっている物質で、人間の臓器、皮膚、筋肉、髪、爪などの大切な栄養の一部です)
低刺激のシャンプーや女性向け育毛剤で頭皮のケアを怠らないことが必須となります。
シャンプーを選ぶなら洗浄力が強い物ではなく、刺激の弱い「アミノ酸」がたっぷり入っているものを選ぶと良いですよ。
又、カラーリングをしていてもいなくても「育毛シャンプー」を使用してみるのも頭皮には良いのでオススメです。
肌の脂の多いタイプの人の頭皮は、毛穴に余分な脂が沢山溜まりがちです。
1か月に1~2回育毛クレンジングシャンプーで毛穴にたまったたっぷりの脂をとってあげるのも次に生えて来る髪の為に必要です。
(毎日は使用しない方がいいでしょう)
「フケ・かゆみ防止」と書かれている低価格のシャンプーを使用しているが、フケが止まらないなどの声もよく耳にします。
汚れをとる洗浄剤が強ければ強い程、頭皮の脂は取られてしまいます。
顔も同じですよね?洗浄剤が強い石鹸で洗うと、仕上がりが突っ張りませんか?
それと同じで頭皮も乾燥しガザガザしてきます。
フケをとろうとしても余計にフケが出てしまう事もあるのでちゃんと自分にあったシャンプー選びは大切ですね。
④アルカリ剤を使わないカラー剤
「ヘナ」って聞いた事ありませんか?
植物色素を使ったカラー剤です。
その他にも「和漢彩染」と言う名前で自然食物から出来ているカラー剤もあります。
アルカリ剤を使用せずお水で溶かして使うカラー剤で白髪は綺麗に色が入り美しく仕上がります。
しかも髪の毛に負担が殆どないので、髪の毛が細くなったり頭皮に刺激を与える心配がありません。
体に悪い物が入っていないので気にせずカラーリングが楽しめます。
(ただ中には植物・食物のアレルギーの方はご使用できないと言う事もありますので確認してからが良いですね)
髪が痛まないメリットもありますが、デメリットとしてアルカリ剤を使用しないので髪の毛を明るく染める事が出来ません。
勿論、白髪が全体にある方は、明るめ色素は入るので色味は明るくなります。
黒い毛を明るくする力はないので、自然な色にされたい方はこのカラーリングをおススメします。
髪が痛まないので使うほどハリ・コシが出てきます。
取り扱っている店も少ないと思いますので是非調べてみて下さい。
ヘアカラーは、決して髪の成長と頭皮の健康によいものではありませんが、その性質をよく知ることで「安全な妥協点」を見つけることができます。
美しいヘアスタイルを維持しながら、抜け毛にならないヘアカラーの方法を覚えておきましょう。
〈ポイント〉
ヘナは髪には優しいですし、健康毛なら色落ちしにくいですが、毛染めを繰り返したダメージ毛の場合ヘナが定着しにくく色落ちしやすい場合があります。
なので根元から健康毛が生えて定着するまで時間がかかると思ってください。
ヘナがおすすめな人は、お肌が弱い、刺激物を使いたくない、暗めに染めたいという方です。
⑤カラートリートメントを併用する
お肌の弱い方などはどうしてもカラーをすると頭皮が荒れやすくなってしまいますね。
そんなときはカラートリートメントを併用することもできます。
カラートリートメントはカラー、マニキュアよりも染まりにくく、色もしっかりとは出にくいですが、頭皮に対する負担は少ないんです。
できるだけカラーの周期を伸ばすために地毛とカラーをした毛の色をなじませ近づけるという用途で使われるお客様も多くおられます。
完全にキレイには染まりませんが、染めたところ、染めていないところの差は出にくくなりますね。
髪の毛が染まるメカニズム
一般的なヘアカラーの原理について説明しますね。
まずカラーというのは…
- 一度髪の毛の色素を抜きます。
- 色素が抜けた髪に色をつけていく
一度のカラーで2つの工程を行っているんですね。
そしてその工程を行う上で使うカラー剤の成分によって、髪の毛や頭皮が傷んだり、毛根に悪い影響を与え抜け毛や薄毛の元になってしまうという事です。
ヘアカラーで抜け毛が増えるのはなぜ?〈抜け毛が増えるメカニズム〉
ヘアカラーを続けることで、髪の土台となる頭皮や発毛器官である毛根部にダメージが加わります
〈ヘアカラーで起きる「抜け毛のメカニズム」〉
- 成分の刺激で頭皮が荒れ、真皮層が薄くなり、発毛器官周辺環境が悪くなる
- 成分の刺激で頭皮が荒れることで雑菌の温床となり、アレルギー反応によって毛根が攻撃され
- ヘアカラーの成分そのものが頭皮から侵入し、毛根部にダメージを与える
ヘアカラーには、頭皮細胞を破壊するほどの強い刺激性成分が配合されています。
髪自体は、現在進行系で細胞分裂を続ける毛根部以外は、「死んでいる細胞組織」です。
ですから、どれだけ強い成分を使っても抜け毛の原因にはなりませんが、まったく頭皮に付着させない方法はありません。
特に白髪染めは髪の根元にカラー剤を塗布しないと白髪は染まらないですからね。
抜け毛の原因となるヘアカラーの成分
髪の色を変色させるヘアカラーの成分には、非常に刺激性の高いものが使われているのです。
一般的に最初の髪の色素を抜く工程に使う「ブリーチ」と呼ばれるものには「過酸化水素」が使われます。
その色素を抜いた状態の髪の上に色をつけるヘアカラーは、過酸化水素に加えて次のような成分が含まれているのでチェックしてみて下さい。
「過酸化水素」
化学式で言えばH2O2で表記されていて、強力な酸化剤、漂白剤として使われています。
強い腐食性を持ち、皮膚などにちょっとでも付くと電気が走ったような痛みがあり、白斑になってしまう位の強い薬液です。
ヘアカラーの危険な成分
【ヘアカラーの注意すべき成分】
- PPD(パラフェニレンジアミン)
- アミノフェノール
- パラアミノフェノール
- フェニレンジアミン
- 硫酸パラメチルアミノフェノール
- 硫酸トルエン2.5-ジアミン
これら以外にも種類はありますが、いずれにしても髪と発毛器官にダメージを与え、抜け毛の原因となるものばかりです。
ヘアカラーには市販の毛染めに多い「1液式」と、ヘアサロンでよく使われている「2液式」がありますが、どちらも同じような成分が使われています。
髪の色素を抜き、化学反応によって色を付けるというしくみは同じです。
もっとも多くヘアカラーに使われているPPDなどは、強烈なアナフィラキシーショック(免疫反応)による死亡例があるほど。
その手軽さのために、危険性への認識が十分でないことは大きな問題だと言えます。
サロンへ行くとカルテの記入欄の「薬液でかぶれたり、湿疹が出来たりするか?」に○と記入すると必ず「パッチテスト」を進められるのはこれがあるからなんです。
まとめ
- ヘアカラーは髪と発毛器官にダメージを与えることで薄毛の原因になってしまう
- ヘアカラーには刺激性の高い化学物質が使われている
- ヘアカラーによる薄毛を改善するには「頻度」を抑えることが有効
- ヘアカラーによる薄毛を改善するにはヘアサロンで毛染めをしてもらうことが有効
- ヘアカラーによる薄毛を改善するには「シャンプー」を替え「育毛剤」を使うことが有効
頭皮に痛みを伴うヘアカラーですので、しっかり頭皮ケアをおすすめします。
コメント